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脳卒中(脳血管疾患)は、国内の患者数が174.2万人と推計され(厚生労働省「令和2年患者調査」)、日本でも世界でも4人に1人程度が経験するとも言われる。
一般的に、手足の麻痺や言語障害など障害が残るイメージも強いが、脳卒中の発症直後からのリハビリテーションなどを通じて、職場復帰など回復する場合も少なくない。
針谷さんは、理学療法士を目指す中で、そんな「後遺症が治らないまま生活しなければならない状況を目の当たりにした」ことから、そんな継続サポートがしたいと、脳卒中専門の道に進んだ。
大学卒業後すぐに脳卒中専門の病院に勤めるとともに、自ら学術大会にも通い、貪欲に学んだ。海外の学術大会まで足を運ぶと、「”こうすればよくなる”という明確なエビデンスが出始めている」ことを知り、国内との差を実感することになる。
例えば、手や高次脳機能のリハビリであれば週5〜7回、足のリハビリであれば週3〜5回など、集中して行えば、発症から時間が経っていたとしても機能が改善する可能性がある。しかし、日本の医療保険の下で、または介護保険の訪問介護として受けられる「保険内」でのリハビリは、制度上、それだけの回数を受けられる形にはなっていない。